タイでは予想より一日ずれて10日よりラマダンが始まることが宣言されました。
9日の夕方4時にマレーシアでラマダン中の停戦に関して記者会見があるはずだったのですが、キャンセルされました。この2日前から、パラドンNSC事務局長とタウィーSBPAC長官他1名(未確認)が、非公式にクアラルンプール入りしてBRNと協議をしていたようです。
パラドン事務局長はマレーシア側が発表を取りやめた理由がわからないと言っていますが、わざわざタイからもジャーナリストを呼んでプレス発表の準備をさせていたのに突然キャンセルになったということは、おそらくラマダン中の停戦の話し合いが失敗したのでしょうね。
彼らとしては、何とかラマダン前にBRNから言質を取ろうとして、マレーシアの圧力も利用しながら、ぎりぎりまで話し合いに持ち込んだのでしょうが、少なくとも発表できる成果はなかったようです。
ところで、パラドン氏とタウィー氏は、タクシンと直接つながっているという強みがあるせいか、独断で物事を進めようとする傾向が強いのですが(そしてそれがチャルーム元副首相が不満だった点でもあります)、今回も和平協議チームの合意を形成しないままBRNとの協議を進めたようです。
彼らの独断が和平協議を公表するという(タイにとって)前代未聞のプロセスになったわけですが、今回も軍に無断で動いたのは心証がよいはずがありません。先日の
ユタサック国防副大臣の問題といい、インラック首相兼国防大臣にとっては早速重い課題になりそうです。
追記:3人目の同行者は何と陸軍第4管区からだったそうです。中央指令官の意向に反して、
BRNにかなり譲歩した案を提示したようですが、それでもうまくいかなかったようです。一見強固に見える軍ですが、ユタサック副大臣のオーディオクリップの件で明るみになったように、最高幹部達がタクシンに協力したり、地方指令官が勝手に交渉したりとぐらついて来ている印象ですね。