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タイ深南部勉強ノート

英語、タイ語、マレー語、日本語からタイ深南部紛争地域の情報をぼちぼち整理しています。 自分用のメモなので時々書き直し、追加あります。

BIPP幹部からの手紙

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BIPP幹部からの手紙

ちょっと前にBIPP幹部のHafizul Hakim Fatoniからの手紙というのがインターネットの新聞に掲載されました。 (BIPPは和平協議に直接メンバーは派遣していませんが、協議団はBRN、PULO、BIPPの代表となっているようです。)

以下、内容から気になったところのメモです。(要約で正確な訳ではありません。)

・以前はpatani merdeka(パタニの独立)という言葉を口に出すことははばかられたが、今では誰でもそれを口にするようになった。
・自分はこの協議が、タイ側が深南部の住民が自由に意見を述べられる場と雰囲気を用意すれば、住民にとって良い結果となると見ている。
・パタニ(深南部)の将来のステータスは、本来ならまず協議されるべきで、タイ政府側が言うような暴力の減少だけにとどまるべきではない。
・過去に外部の仲介者無しで行った協議(ボゴールMOU、カイロMOU、ダマスカス、ランカウィ等)が失敗した経験から、我々はマレーシアが仲介者となることを望んでいる。
・我々が、武装部隊を抑制できるかということが問題になっているが、問題は、全ての攻撃が我々が行ったものではないことだ。タイ側の捜査は、客観的で公平だろうか?
・我々幹部は現場の戦闘員にも注意をしているが、中には守らない者もいるだろう。しかし、全体として我々は和平協議を歓迎している。
・我々以外のソフトターゲット(兵士警察官以外の武装していない標的)を攻撃する真犯人をタイ側は捜索すべきである。
・現在の(分離派側の)和平協議団はBRN、PULO、BIPPから信任を得た正式なメンバーである。
・ヒューマンライツウォッチの報告書で我々は非難されているが、我々のターゲットは武装した兵士や警察官である。時に、市民や聖職者が巻き込まれてしまうことはある。しかし、我々以外の第三者が行ったものや我々の名誉を傷つけるために行われた攻撃に我々は関知しない。
・タクシンから相応のオファーを受けたという話も、確かに彼とは会ったが何も受け取っていないし、彼は協議のきっかけを作っただけでそれ以上ではない。
・この和平協議は、インラック政権だけではなく国家の議題となる必要がある。それによって政権が代わっても協議を続けることができるのである。
・我々が見るところタイ側はまだ和平協議に対して揺れている。これを説得するのはタイ側の責任である。特に王室、軍に対して和平がタイ国民のみならずアセアンにとって良いことであることを確信させる必要がある。これによって特定の集団、特に軍が紛争から利益を得ることを防ぐことができる。
・この協議は始まったばかりでConfidence Building(自信確立?)に長い時間がかかる。
・外部からの障害はあるが、我々は和平協議の両者から話し合いを通した政治解決への熱意を感じている。
・これまで5つの要求に対してタイ側は何の答えも出していない。タイ側がこれにコミットしたら我々もただちにポジティブな対応を取るだろう。
・ラマダン前にBRN側が発表した7つの要求と4つの条件は、タイ側にとって「いきすぎである」と見られているが、これらの条件、特に治安部隊の撤退は長い間住民の念願である。
・協議の中で条件を出したり、拒否したりするのは普通のことである。タイ側がするように、我々も上記の理由で彼らの条件を拒否する権利がある。



こちらのハッサン氏のインタビューと共通している点で興味深いのは、王室と軍の全面的な支持が必要というところです。この二つは日本人にはなかなか感覚としてわかりにくいんではないでしょうか。

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