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タイ深南部勉強ノート

英語、タイ語、マレー語、日本語からタイ深南部紛争地域の情報をぼちぼち整理しています。 自分用のメモなので時々書き直し、追加あります。

Puloの幹部二人釈放

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Puloの幹部二人釈放

最近新しい動きがあるせいで続々と資料が出てきて、あれも訳して紹介したいなあ、これも調べたいなあと思っても全然追いつきません。

最近の深南部関連の大きな話題は、PULOの幹部である受刑者の釈放でした。これは和平協議への道の一つとしてタイ政府が行った措置です。前回2013年の交渉時の対応としては、50名の受刑者の故郷に近い刑務所への移送(家族が簡単に面会に来れるように)がありました。2013年末にはPULOの議長だったHaji Buedo Betong が釈放されています。

今回は63歳のIsmael Gaddafi またはSama-ae Thanam と呼ばれる男性で分離活動を行った罪で禁固17年5か月の判決を受けていましたが、14年で釈放されました。もう一人はHaji Daoh Thanam で、2002年に死刑の判決を受けましたがその後終身刑になっていました。彼は9月21日に釈放が署名されました。彼ら兄弟は今でも地元で信頼厚く、釈放後は政府側と反政府側との間で和平に尽力することが期待されています。(9月20日追記)

懸念は釈放された彼らの身の安全が保障されるかです。和平のために働くと表明した彼らは和平反対派にとって格好の標的になりえます。治安当局が彼らを守るかも、和平協議への真剣さを測る一つの目安にされるでしょう。

というのは、若い世代の武力闘争の実戦部隊(RKK―BRN)がいるからです。Bangkok Postの7月20日のこの記事によると、彼らは和平協議参加への説得に耳を貸すかは疑問であり、その理由は三つあるそうです。一つは、協議がマレーシア政府によって操作されていること、2つ目はマレーシアが過去20年以上仲介役を務めてきたにもかかわらず状況は改善していないこと、3つめは彼らが「深南部の状況を利用して利益を得ている」としてWadahグループ(地元の政治グループ)と協力するのを拒んでいることだそうです。

PULOはすでに武力闘争を停止している上、幹部の多くが海外に亡命しており、現在の武力闘争実行者(BRN)への影響力は少ないですが、シニア世代の市民の多くはまだPULOを支持しています。釈放された彼らが政府と和平で協力すれば、海外組や国内のシニア層を和平支持に取り込めるという思惑があります。

それではBRNに対してはこうした措置を取らないのかというと、BRNは幹部の釈放に関して具体的な要求を公にしていないんですね。それでも現在タイ政府はBRN幹部の受刑者とも交渉を行っているようです。

マレーシアで行われているという協議がいつ公になるのかはわかりませんが、それはこうしたアクター達が動き、皆が和平協議の進展に確信が持てた時点になるのでしょうか。

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