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タイ深南部勉強ノート

英語、タイ語、マレー語、日本語からタイ深南部紛争地域の情報をぼちぼち整理しています。 自分用のメモなので時々書き直し、追加あります。

紛争の当事者は誰か

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紛争の当事者は誰か

よく、深南部の紛争では、麻薬等の利権争いや政治抗争が分離独立運動を隠れ蓑にしているため実態はよく見えないと言われます。逆に言うと、こういう曖昧な言い方が分離独立運動の実態を見えにくくしていると感じます。

じゃあ、いったい深南部の暴力事件の何パーセントが麻薬や政治絡みで、何パーセントがBRN等の分離独立派の仕業なのかという問いかけを関係者にしてみました。

こういう統計は私は見たことがないですが(見落としているだけかもしれないので、ご存知でしたらコメント欄で教えてください)、タイの警察というのは意外と優秀で、事件があるとだいたいすぐ犯人を割り出すので深南部にしても容疑者を特定(特定したからと言って逮捕や公表するとは限りません)しているはずなのです。そして容疑者がわかっていれば、それが分離独立運動絡みなのかそうでないか区別できるはずです。

案の定、タイ側はちゃんと統計を取っているようで、すぐ数字が出てきました。その答えは・・・・・驚くほど少ないものでした。例え、BRNが全部隊をコントロールできても、彼ら以外の仕業がそんなにあったらあまり変わらないのでは、というレベルです。

この数字が正確かという問題はさて置き(例え担当者からでも数字は疑ってかかるのが常識です)、じゃあ、分離独立派が起こす事件以外の事件は誰が起こしているのかという問いには、政治絡みが圧倒的に多いという答えでした。麻薬利権の争いもあるがそれは少数だということです。

特に、来月には深南部の111のタンボン(行政村)で長を選ぶ選挙があり、その影響で政治絡み(+利権絡み)の殺人や傷害事件が多くなっているそうです。

つまり、この話が正確なら、深南部の紛争を減らすには、BRNと交渉するより政治抗争絡みの殺人・暴力事件を徹底的に予防し(=利権を生じさせない)、取り締まることの方が効果的ということになってしまいます。

もっとも、政治抗争絡みの事件が多くなる背景には当然、独立運動を隠れ蓑にしやすいことや、莫大な深南部関連予算の配分、社会への銃器の蔓延といった分離独立撲滅政策と深い関係があると思います。

(こういうことを頭に入れて、BRN側のこの主張を読むと、BRNの立場や主張したかったと思われることが、より理解できる気がしました。ただし、マレー語です。)


関連エントリ:BRNの3つ目のビデオの主張

29日追加:治安だけではなくもっと問題がある
「紛争の中には利権争いもあるが、当局が分離主義の仕業と結論付けることで犯人が追求を逃れているケースがある。また、家族が分離運動と関連づけることを望む場合もある。その場合、国から補償金が出るからだ。」

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