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タイ深南部勉強ノート

英語、タイ語、マレー語、日本語からタイ深南部紛争地域の情報をぼちぼち整理しています。 自分用のメモなので時々書き直し、追加あります。

ジョアイローン郡病院の襲撃の意味

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ジョアイローン郡病院の襲撃の意味

あいかわらず更新が遅いですが記録のため。


3月13日、ナラティワート県のジョアイローン郡で三つの連続襲撃事件が起きました。

一つ目は午後4時、て鉄道駅で反政府分子による銃撃とM79の発射。警察とレンジャーが応戦しましたがけが人はなし。

二つ目はジョアイローン郡病院近くのレンジャー詰所へのM79発射。これにより7名が負傷しました。

三つめはそのままジョアイローン郡病院へ走りこんだ犯人に対して当局と銃撃戦になり、それは一時間以上続きました。その後犯人達は避難する患者にまぎれて脱出に成功しました。逃げた犯人を捕まえるため「山狩り」が行われています。


この事件がちょっとした衝撃だったのは、ジョアイローン郡が、和平協議で「停戦協定」が最初に結ばれると情報が流れた二つの郡のうちの一つだったためです。ここを拠点とする反政府派はタイ政府と交渉の用意があり、深南部三県の「危険な」郡の中では比較的事件が少い方でした。そんな場所にいきなり約50名もの銃を持った戦闘員が現れ暴れていったのですから、当局側はさぞ驚いたことでしょう。病院患者に犠牲者が出なかったのは幸いでした。

このようなことになった理由でまず考えられるのは、和平協議に反対するグループが他域からジョアイローン郡に入りこんで騒ぎを起こしたという線。この郡が停戦ゾーンになることは既にリークされていましたから、それを快く思わない他の郡から戦闘員が移動してきたと考えられます。一方でそれを許したジョアイローン郡を拠点とするBRNの「弱さ」なのか、「思惑」なのかわかりませんが、そちらも和平交渉の「弱点」となりそうなことが露呈しました。

もう一つは、治安当局の情報収集の限界です。これだけの襲撃計画があれば、諜報網を張り巡らせているはずの当局側に漏れてくるはずですが、気持ちが緩んでいたのと、当局側が住民との関係は良好と信じてまさか大規模な襲撃はないと思っていたようです。

さらに、当日90名いるはず部隊がなぜか半分しか業務についておらず、完全に応戦できなかったようです。このように兵士が十分配置されているはずなのに、休暇等で規定の人数が業務についていなかったり、警戒中も武器をそばに携帯いなかったりということが日常化しているようですね。そこを突かれて大きな犠牲を出すというパターンがしばしば見られます。


病院襲撃に対しては国内国際各方面から非難の声明が出ています。わざわざ病院を狙って事を起こした意図はよくわかりませんが、MARA PATANIからは学校や病院等の人道施設を攻撃しないことを定めた戦争における人道法(いわゆるLaw of War)の適用の提案が出てきました。しかし、タイ政府は、現に学校や病院に兵士を配置しており、また戦争法の適用は国内問題を国際問題に引き上げるとして取り合わないと見られています。

ちなみに3月13日はBRNの創立記念日だそうです。



追記:関連コラム Latest attacks show BRN's new strategy バンコクポスト3月29日

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