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タイ深南部勉強ノート

英語、タイ語、マレー語、日本語からタイ深南部紛争地域の情報をぼちぼち整理しています。 自分用のメモなので時々書き直し、追加あります。

麻薬撲滅戦争と深南部

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コメント

2. Re: 麻薬戦争について

一年近く放置していたコメントですが、ちょっと気になったので公開します。

> はじめまして番組制作会社●●●と申します。
> 現在、タイのドラッグの実情を調べています。
> タクシン前政権時の2004年1月から行われた麻薬撲滅作戦以降、麻薬取引が激減しタイ深南部の反政府組織が資金源としている麻薬ビジネスが低迷し、テロ活動が増えたということですが・・・。現在、タクシン政権が倒れて軍事クーデターなどで政局が不安定な中、麻薬や覚せい剤がミャンマーやラオスから入り、再びドラッグ天国になりつつあると考えています。その当たりのお話をお伺いできないかと思いメッセージを入れました。お忙しい中、よろしくお願いします。



反政府組織が資金源としている麻薬ビジネスというのは私が知る限り誤解を生む表現だと思います。麻薬に関わっているケースがないとは言いませんが、組織的に麻薬に関わっている証拠はありません。麻薬撲滅戦争に名を借りた強権政治でテロが増えたという分析は紹介しましたが、麻薬の流通の減少で資金源を断たれてテロが増えたという書き方はしていないと思います。実際、分離派組織は決して資金豊富ではありません。

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麻薬撲滅戦争と深南部

「金銭では人間の価値と尊厳を補償できない。正義の欠如した社会で平和は達成できない。」

アムネスティー・インターナショナルが出した年次報告書のプレスリリースにおける、2004年に失踪したソムチャイ弁護士の夫人で活動家のアンカナ氏の言葉です。

→Nationのアンカナ氏の5月23日のスピーチについての記事

このスピーチの最後の方で麻薬撲滅戦争と深南部での失踪事件との関連が述べられています。

2003年2月から12月まで2500人以上の死者を出したタクシン政権下での麻薬撲滅作戦は、「タイの人権史上、とくに残酷で暗い時代だった」(Byヒューマンライツウォッチ)と言われ、内外から激しい批判を受けました。そして、2010年になっても、関与した警察官は誰一人として訴追されていません。

大量の死者を出したこの政策は、特に北部で行われた印象が強いですが、深南部にも影響していたことを示唆しています。この時期は、2002年に南部国境県行政センター(SBPAC)が廃止され、実質的な警察・軍統治に移行しており、タクシン首相によって「お墨付き」を得た治安当局が、それまで以上に強権を発動し、人権侵害行為を繰り返しました。それが、2004年1月の深南部問題激化の一因となったとも言われています。

映画「市民ジューリン」でも、麻薬撲滅戦争と深南部の暴力との関連が示唆されています。

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コメント

2. Re: 麻薬戦争について

一年近く放置していたコメントですが、ちょっと気になったので公開します。

> はじめまして番組制作会社●●●と申します。
> 現在、タイのドラッグの実情を調べています。
> タクシン前政権時の2004年1月から行われた麻薬撲滅作戦以降、麻薬取引が激減しタイ深南部の反政府組織が資金源としている麻薬ビジネスが低迷し、テロ活動が増えたということですが・・・。現在、タクシン政権が倒れて軍事クーデターなどで政局が不安定な中、麻薬や覚せい剤がミャンマーやラオスから入り、再びドラッグ天国になりつつあると考えています。その当たりのお話をお伺いできないかと思いメッセージを入れました。お忙しい中、よろしくお願いします。



反政府組織が資金源としている麻薬ビジネスというのは私が知る限り誤解を生む表現だと思います。麻薬に関わっているケースがないとは言いませんが、組織的に麻薬に関わっている証拠はありません。麻薬撲滅戦争に名を借りた強権政治でテロが増えたという分析は紹介しましたが、麻薬の流通の減少で資金源を断たれてテロが増えたという書き方はしていないと思います。実際、分離派組織は決して資金豊富ではありません。

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