せっかく和平協議が再開したのに逆風になりそうな司法判決がまた出ました。
2004年に警察に連れ去られ行方不明になっているソムチャイ弁護士事件で起訴された5名に最高裁が無罪を言い渡しました。
理由は、ソムチャイ弁護士を追跡していた時の被疑者の通話記録は、行方不明に関係している証拠とはらならないこと、ソムチャイ弁護士を連れ去った人物が被疑者達であるという目撃情報と矛盾する別の目撃情報があることから、犯人であると断定はできないとしました。
家族は「本人の生死が不明のため苦痛を与えたかどうかはわからない」という理由で原告にもなれませんでした。妻で人権活動家のアンカナ氏は「タイの司法に深く失望した」という
ステートメントを出しています。
ソムチャイ弁護士が2004年に失踪して以来、2006年には被疑者の一人に禁固3年の判決が出ましたが、2008年より逃亡して行方不明。2011年には控訴裁判所が被疑者全員に無罪の判決が出て、上告していました。
ムスリムの人権のために奔走していた有名弁護士の失踪ということで、社会に大きな衝撃を与え、タクシン首相も「少なくとも5人の政府関係者が関わっている」と発言したこの事件、様々な証拠があるにもかかわらず司法は全て否定し(タイの)役人を守ったという形になりました。
タイの司法というのは真っ先に改革が必要な場所だと思います。