第3回の和平協議の結果はシンプルですが進展がありました。パラドンNSC事務局長は今回の会議の主題を下記の2つとしています。
1.7月9日から8月7日のラマダン期間中の戦闘を減らすこと。
期間を定めたことと、ラマダンの趣旨に合致するということで合意しやすかったようです。もし本当に事件が減少すれば、これは大きな前進となります。
2.「5つの要求」について次回までに内容を明らかにすること。
実は、第2回目の和平協議(4月29日)前後に
You TubeにUpされた「5つの要求」のビデオは、いまだに内容について様々な議論が続いています。
以前
5つの要求の意味で説明を試みましたが、コンセプト自体はタイ政府にとってクリティカルなものです。しかし、それはいたって概念的なもので、今後「交渉」段階に入るためには具体化していく作業が必要だということのようです。そして今回それがクリアにならなかったということは、BRN側も要求について意志の統一が取れていなかったようです。
例えば「BRNを分離派ではなく解放者として認める」ことはイコール独立要求なのか、または特別自治権要求なのか、それとも別の形なのかでタイ政府側が法律の下で対応できるかどうかの判断が違ってきます。もし独立要求ならば、それは大きな確率で交渉の終わりを意味します。
またマレーシアをファシリテーターではなく、メディエーター(調停者)にするという要求については、今回の和平協議の前週にナジブ首相が「もしBRNが独立要求をするならマレーシアは手を引く」と発言しており、こちらもそう簡単ではありません。BRN幹部は言わばマレーシアに首根っこを押さえられている状態ですから、独立要求があったとしても正式表明は簡単ではないでしょう。
どうやら、今回BRN側は難しい「宿題」を課せられたようです。
パラドン事務局長の晴れ晴れとした表情がそれを物語っているというのは言いすぎでしょうか。
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関連ビデオ(英語):
ストレーツタイムズ(シンガポール)