11月11日12日の二日間、マレーシアのプトラ・ジャヤとネグリ・センビランのポートディクソンで第4回目の協議が開かれました。
タイ側は7名、反政府側も7名(BRN3名、PULO2名、BIPP1名、GMIP1名)が参加しました。各分野での作業部会を設置するためのTORの作成について言及しましたが、具体的な合意には至らなかったようです。
文化背景も信条も仕事の仕方も全く違う二つの集団が同じテーブルで協議をするのは技術的に大変なようですね。片や長年官僚組織で働いてきて具体的な手順が見えている方と、そういうことに経験のない方(しかも年配者が多い)と共通理解を醸成するのはちょっと考えただけで難しいと思います。しかもどちらにとっても「初めての経験」で政府側が進めたい作業グループの形成と大綱(General Guideline)の作成といった「具体的な作業」が本当に正しいやり方なのか、反対側にとって判断ができないと考えているのかもしれません。
おそらく反対側が話したいのは「パタニ」の地理的範囲とか、自治の可能性とか、イスラム法の適用とか、自身の免責のこと、国家議題として宣言するとか、そういう政府側にとっては「一足飛び」に映ることなどだと思います。しかし、反政府側はともかく、政府側の交渉参加者は定年になったり配置換えされれば消えていく官僚の一人に過ぎないので、手順を踏まないで結論を出すことはできるわけがありません。
今後も事を進めるには長い時間が必要なのは確実です。アチェの和平は2004年のスマトラ大地震でGAMが打撃を受けたことがきっかけと言われています。こうした突発的で必要に迫られた情勢の変化でもない限り、政治的判断に結論を出すことが個人の責任にされる可能性がある昨今の情勢(特にインラック首相の米質入れ問題を本人の個人責任として賠償を求めようとしていること)では、タイ政府側の交渉人が動けるようにするためには細かい手続きと根回しをしていくしかないでしょう。もちろんそれには「市民が和平協議を支持していること」は強力なサポートになるはずです。
近日中にまた双方からステートメントが発表されることでしょう。