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タイ深南部勉強ノート

英語、タイ語、マレー語、日本語からタイ深南部紛争地域の情報をぼちぼち整理しています。 自分用のメモなので時々書き直し、追加あります。

セーフティーゾーン交渉についての混乱(11月の話)

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セーフティーゾーン交渉についての混乱(11月の話)


11月に四回目の協議を終えてから、いくつかのマスコミが「和平協議では、ナラティワートの2郡をセーフティーゾーンとして、そこでの停戦について話し合われた」と報道しました。→ イサラニュースhttp://www.isranews.org/south-news/scoop/item/42827-ceasefire.html

が、すぐさまマラパタニ側が「停戦ゾーンについては話し合っていない」と声明を出し、遅れてタイ政府の協議団側も「会議ではそのような話は出ていない」と裏書き表明しました

事実、会議ではセーフティーゾーンの話は出ていません。もともとセーフティーゾーンのアイディアもタイ側が提案しているものですが、11月の会議では両者の話し合いが進まずそこまでたどり着けなかったようです。

しかし、火のない処に煙は出ずということで、実際にこの二つの郡で活動する武装勢力とタイ政府の接触は行われており、それをマスコミがすっぱ抜いて報道したというのが真実のようです。

これらの経緯を見ていると交渉の軸はいくつもあることがわかります。一般市民の我々に見える「タイ政府協議団とマラパタニ」という軸の他にも「タイ政府と反政府武装勢力」という直接交渉もあります。こちらは国内問題なのでマレーシアを仲介役としていないですが、武装勢力との合意が得られれば、裏付けのある提案としてマラパタニとの公式協議で持ち出すことができます。

これ以外にも様々なグループが様々な思惑でタイ政府、マラパタニ、各地域の武装勢力に接触していると見られ、各自がいろいろなチャンネルを確保して情報を集めながら、将来の交渉へのカードを集めている、というのが実際の姿でしょう。


またタイ政府内でもISOC(タイ側和平協議団の中央調整役)とISOC第4管区(現場の実戦部隊)が別行動を取る場合もあり、これが混乱の元にもなっています。次はこちらのことを中心にまとめたいと思います。

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