6月20日追記
ISOC第四管区が下記報告書を発表した三つの人権・民主団体の代表三人を名誉棄損で告訴し、その反論が
Forum Asiaその他で掲載されています。
真っ向から主張が対立してますが、どちらかが100%正しく、どちらかが100%間違っているということはないと思います。拷問調査に関しては、第三者も交えて風通しのよい環境で合同調査ができるようにするべきでしょう。
中央の赤色黄色対立と同じように、聞く耳持たず相手が悪いと決めつければ、いくら調査しても情報は無視され、和解には何の意味もありません。
2月26日
2月に入り軍による拷問被害者に対するインタビューを掲載した人権団体の二つの報告書をめぐり、タイ政府が反論するなど緊張が高まっています。
2月2日、Islam autorney centerから出された深南部で容疑者に対して行われている拷問に対する報告書に対して、ISOCのスポークスマンが「想像の産物」と応酬しました。
そのすぐ後、Cross Cultural Foundation, Duay Jai Foundation及びPatani Human Rights Organisation (Hap) が58名の拷問の被害者にインタビューした報告書を発表し、それに対してISOCはステートメントを出しました。その中で拷問の存在を否定し「(人権団体は)海外から活動資金を取りたいためにやっている」と発言するなど、激しいやりとりが行われています。
タイで最も軍政に対する批判を繰り返し、軍に拘束された後The Nation紙を辞したPravit Rojanaphruk記者がKhaosodにこの一連の論争について書いています。上記二つの報告書の内容、特に軍による拷問がどんな手口を取っているのかかいつまんで説明されています。(下の絵も参考。)ただ、個人的には、女性のパラミリタリーレンジャー(タハーンプラーン)が裸の胸を押しつけてきたというくだりなどはちょっと信じがたい気がします。
ISOCは公式には深南部での暴力事件は減少しているとしています。実際に襲撃事件や殺人事件は減少していますが、その影で容疑者に対する拷問・虐待は、2014年のクーデターで軍事政権になって以来かえって増加したと報告書は主張しています。未だに深南部の拷問事件で有罪になり服役した軍人はいないということです。
これは深南部に戒厳令が敷かれているため、軍人は軍法廷で裁かれる司法上の問題に根差しています。
その他参考資料
タイの市民団体から国連へ提出された国内の拷問に関する報告書。Shadow report on Thailand's Implementation of the Convention against Tortune and Other Cruel, Inhuman or Degrading Treatment Punishment
バンコクポストに「ニュースで学ぶ英語」の素材として深南部の拷問に関するBPやアムネスティのこれまでの記事が集められています。音声で聞きたい方もどうぞ。
絵:
PrachaThaiより