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タイ深南部勉強ノート

英語、タイ語、マレー語、日本語からタイ深南部紛争地域の情報をぼちぼち整理しています。 自分用のメモなので時々書き直し、追加あります。

和平協議はどこへ行ったか

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和平協議はどこへ行ったか

 The Irrawadyという亡命ミャンマー人がチェンマイで立ち上げた反政府系インターネットニュース記事を紹介します。

(お気づきと思いますが、深南部はタイ語の情報が圧倒的に多いのですが、ここで取り上げるのはタイ語のものより英語、マレー語が多いです。なぜかということタイ内の報道は、細かい事実関係のことを知るには非常にいいのですが、簡潔な分析記事が少なく、さらに書き手の色(政治的志向)が色濃く出てしまっているからです。もちろん英語でも偏った視点が入るのは避けられませんが、少なくとも数カ国からの記事を見ることで複数の視点で見ることができます。またマレー語は、マレーシアに同じイスラムという感覚があるので、タイ語では出てこない視点やタイ政府と対立する視点があります。この記事も、軍について積極的に言及しているという点で配信者のカラーが出ていると思います。)


要点は、
-タイ軍は今後も和平協議を継続することに合意していること、
-最初(2013年2月)の和平協議開始の合意は軍を無視して行われ、その後もタイ側のアクターのコンセンサスがなく混乱を招いていること、
-反政府派をタイ政府と同等に引き上げ、国際的な舞台に協議を乗せたことが軍の長年の方針(非公式な停戦交渉)に打撃を与えたこと、
-和平協議は政治課題であり中央が行うべきとされ(これまで主導してきた)現場の軍を外に置き、長年続いた状態に風穴を開けたこと、
-紛争の原因は麻薬ネットワークや犯罪組織であるという軍の主張と別に、「マレーイスラム反政府運動」の存在を認めたこと、
-民主主義が弱いタイでは、現在軍が深南部政策に関して統制権を取り戻そうと積極的になっていること。

In Thai Peace Talks, a Challenge to Military Dominance




そして、現在の状況について:

行政裁判所の判決を受け、パラドン氏は既に首相顧問に移動していますが、現在も和平協議団長としてステータスは保持しています。しかし、憲法裁判所の判決でインラック首相失職の可能性が高まっている今、誰が和平協議の主導を取るかについては「あるべき姿」と「実際に有効な手段」との間に乖離があります。

BRNのハッサン・ターイブも協議のための5つの条件に回答が得られないことから、次の公式協議に進めないと見ているようで、彼自身の「行方不明」や「交渉団長解任」の噂を流しつつ、タイ政府の動向を観察しています。現在ハッサンはインドネシアにて、マレーシア政府を仲介役としてタイ政府と非公式協議を継続して行っているようです。

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