バンコクポストの記事(10月8日)から
国家統計事務所によれば、2010年には深南部の仏教徒は28万8千人で、2000年の紛争前より20%減少した。その後も減少は続いている。
比較的安全な都市ではまだ多元主義的な傾向が見られるものの、農村ではイスラム教徒と仏教徒の分離が進んでいる。その都市でさえタイ人や中国系タイ人の商人家族は、商売を売却して家族を遠くへ移している。
1200人のイスラム教徒の村でただ一人の仏教徒である81歳の女性は、これまで3度襲われたことがある。彼女は、自分を守ってくれる兵士に感謝しつつも「ずっとみんなと一緒に暮らしてきた。でも今では隣人の殆どは訪ねて来なくなった。仏教徒とイスラム教徒は完全に分かれてしまった。」と言う。
和平協議が始まった時から、仏教徒は自分達の地域での影響力の低下を心配している。さらに、シーソンポップ教授によれば、現在の状況が政治的に解決しても、仏教徒を追い出そうとする分離主義の暴力が続く可能性もある。
上記の81歳の女性を子どもの頃から知っているというイスラム教徒の男性は「昔から仏教徒もイスラム教徒も平和に暮らしてきた。私は仏教徒にもここに住んで欲しいと思っているし、いつか再び一緒に平和に暮らせると思う。しかし、現在の状況は彼らにとって危険すぎる。」