4月5日、ヤラー県副知事が車で移動中に道路で爆弾が爆発し死亡しました。
連日の攻撃で死傷者が出ることは珍しくないですが、副知事という地位の人が亡くなったことで
首相が葬儀に出席するなど大きなニュースになっています。
さらに本来なら秘密であるはずの副知事の道程が事前に漏れていたらしいということで県庁内で分離派へ情報を流した犯人探しが始まっています。
この記事によると副知事の公用車はその2日前に納車されたばかりでこれが副知事の車だと知っている人は多くなかったということです。
なぜ過激派は成功したかという視点で見てみることにします。
まず、最も重要なのは事前に情報を得るルートがあったらしいこと。これで彼らには副知事がいつどんな車でどのような護衛体制でどこを通過するか把握していました。
二つ目は爆破の方法。過激派はカーブで車がスピードを落とす地点を選び、道路に爆弾を仕掛け、そこから長い電線を敷いてその端で待機していました。深南部でよく使われるのは携帯電話を使った遠隔操作の爆弾で副知事の車も携帯電話の電波を遮断しながら走っていたと思われます。しかし、今回の方法だと直接線が繋がっているためいつでも爆弾のスイッチを押すことが可能です。犯人は副知事の車が路上の電線に接触した瞬間にスイッチを入れそのまま逃走しました。
三つ目は知事側の防備体制。要人が長距離の移動の時は防弾車を警察にリクエストするのですが、副知事は自分の公用車(カムリ)に乗っていました。防弾車であれば助かった可能性があります。
四つ目は護衛が防衛ボランティア6名が乗った車1台のみであったこと。副知事の車が爆破された時、前を走っていた彼らは停車し救助に向かったため、犯人を追いかけることができませんでした。
安全を守るためにいろいろな方策があっても、日常生活を送る側としてはいちいち守っていられないというのが実態なのでしょう。あまりに厳しい警護は住民との距離をますます遠ざけてしまいます。
8日には
WadahグループのメンバーのNajmuddin Umaの家にM-79が撃ち込まれました。
これらの事件を受け、
和平交渉が頓挫することはないとパラドンNSC事務局長は述べました。
15日追記:
容疑者が特定されました。