3月28日の
第一回和平交渉に参加したメンバーの中に
プラチャーディポック研究所( King Prajadhipok’s Institute)のエカチャイ氏という名前がありました。
※5月4日追記。事前報道ではプラチャーディポックの名前が報じられましたが、後日確認したところ、実際には参加はなかったようです。代わりにSBPACからタウィー局長の他一名が参加していました。軍・警察・行政官の中で異色だったので少し調べてみました。
プラチャーディポック研究所というのはタイの議会のシンクタンクで民主主義に対する理解を促進するために設立されたそうです。政治と民主主義及び行政に関する研究と教育活動を行っています。
HPはこちら。
ここの講師陣は、チュラロンコーン大学を始めとするタイで最も優秀な専門家が招かれており、ここで教えることは大変名誉なことだそうです。最近のタクシン派と反タクシン派の政治混乱に対しても民主主義の進展という観点から活発に活動していました。国外のネットワークも多く持っており、海外の学者と連携して民主主義や平和構築に関するセミナーもよく開いています。
深南部の問題にも積極的に取り組んでおり、歴代政権から解決を委託されています。これまで武装勢力と政府の仲介や、政策提言ペーパー作成、今回の和平ロードマップの作成等を行ってきました。笹川平和財団もプラチャーディポック研究所に対して
2012年度から助成を始めています。
私の印象では、彼らは国内外のトップレベルを含む様々なネットワークを持っており、表に出ない分離派と政府の接触もここが仲介して行っていたと思います。そして分離派側も、和平交渉を政治的に利用する政府の人間よりも、長期的に問題に取り組んでいて中立な立場であるプラチャーディポックの人間をより信頼できると見なしているようです。
今回の和平交渉では当初和平ロードマップの不在が指摘されていましたが、プラチャーディポックの支援でロードマップは分離派側に提案できる状態まできたようです。
5月14日追記:チャルーム副首相が
プラチャーィポックとISOCの合同提案を検討予定。