数ヶ月前からMARA Pataniという単語がちらほら目についていましたが、紆余曲折でなかなか実態が明らかにならず何となく後回しにしていましたが、今後の和平協議のキーワードになりそうなのでここで書いておきます。(たぶん後で修正・補足すると思います。)
MARAパタニとは、BRN, PULOの三つの分派、BIPP、GMIPの6つのマレー系イスラム組織が、タイ政府との和平協議のために創設したとされるプラットフォームで、BRNのマスクリー ハリが中心メンバーの一人のようです。深南部の反政府グループは小さなものからBRNのような大きなものまでバラバラに活動していて、タイ政府に対して統一意思をもって交渉に挑める大きな傘のような組織はありませんでした。これが、反政府グループの一部と和平を締結できても暴力が止まらないのではと懸念された点でもあります。
現在は参加の意思を示しているのは上に上げた組織など一部で、まだ全ての組織が参加表明をしたわけではなさそうですが、それでも各組織に個別にアクセスしていた前回よりは前進したと言えるのではないでしょうか。
しかし、
6月26日のタイ政府の記者会見で「MARAパタニは交渉相手として不適切」表現がありました。これはMARAの意味を聞いたプラユット首相の意向が強いと言われています。MARAの意味は、当初はMajelis Amanat Rakyat Patani (パタニ国民信託会議?)でしたが、現在はMajelis shura Patani (パタニ諮問会議?)のようです。
個人的にはMajelis Amanah Rakyat.....という言葉からは、パタニに政府があってそこの代表会議の名前ような印象を受けますし、Majelis shura にしても、パタニのための相談役という、やはり住民から選ばれたような語感があります。プラユット首相としては、「住民に選ばれたわけでもないのに、勝手に代表会議のような名を名乗るな」ということなのでしょう。しかし、
タイ政府は交渉自体は続けると明言していることから、この点は本質ではありません。