2004年のタクシン政権下でおきたソムチャイ弁護士失踪事件はあまりにも有名です。彼は深南部で逮捕され拷問を受けたイスラム教徒の弁護をしていましたが、失踪し現在では殺害されたと見られています。
最近ラオスで起きた社会活動家でマグサイサイ賞受賞者のソムバット氏の失踪事件と絡めて「重なる二つの失踪事件」として、ザ・ストレーツ・タイムズが記事にしました。それをメコンウオッチが日本語に訳したので紹介します。
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記事それで、改めて
ソムチャイ弁護士失踪事件についての記事をまとめたサイトを読んでいたのですが、読めば読むほど嫌な気持ちになります。
その一番の理由は、この事件に関与したとして名前が挙がっている人物が、今も大活躍していることです。例えば、カムロンウィット氏は現在は首都警察長官になっています。彼はタクシンに忠誠を誓っていることで有名な人物です。コーウィット元警察長官は、プアタイ党党首候補になったことがあり、その後内務大臣として2008年の黄服の強制排除に関与しました。この事件を2006年に捜査した特別捜査局のタウィー局長は、現在ではSBPAC長官です。彼もタクシン一家と親しいことで知られています。これでは解決するはずがありません。
こういうことはタイでは別に珍しいことではなく、頻繁に起きています。2010年の赤シャツ強制排除で亡くなった人たちの捜査が一向に進まないのも同じような理由です。警察や軍のみならず政治家の姿勢が改まらない限り、和平合意など難しいのではないでしょうか。